2008年02月29日

リムスキー=コルサコフ☆交響組曲「シェエラザード」

ri.jpg ”シェエラザード”は「アラビアン・ナイト(千一夜物語)」に出てくる
絶世の美女の名前・・・

この「アラビアン・ナイト」、もともとはアラビア語で書かれた物語でしたが
早くから色んな国の言葉に訳され親しまれてきました。
「アラビアン・ナイト」の中のお話、「アラジンと魔法のランプ」や
「船乗りシンドバット」、「アリババと40人の盗賊」など
子供の頃に読まれた方も多いのでは?
「アラビアン・ナイト」は冒険談、好色談、怪奇談など
色んなジャンルのお話が集められた長大な物語です。

この「アラビアン・ナイト」最初のお話が「シャリアール王と弟シャーザマン王の話」。

                 え、シェエラザードはどうなった?
                 もう少しご辛抱を・・・

そのお話は・・・
シャリアール王とシャーザマン王はたいへん仲の良い兄弟でした。
シャリアール王はインドと中国を、
シャーザマン王はサマルカンドを治めていました。
2人の王は大変な名君で国民に信頼されていました。
ある日、シャーザマン王はふとしたことから愛妃が不貞を働いていることを知り
大変傷つき、妃とその相手の首をはねてしまいます。
傷心で兄のシャリアール王のところに行くと、
そこで兄の愛妃が奴隷と戯れているところを垣間見てしまいます。
弟王は兄王にそのことを報告すると、兄王も愛妃と奴隷の首をはねてしまいました。
この日から兄シャリアール王は疑心暗鬼となり
毎晩生娘を迎え、朝が来ればその娘の首をはねるようになりました。
それが3年も続いたので民衆は恐れおののき
年頃の娘を隠すようになりました。
ある日生娘を探す命令を受けた大臣がどうしても生娘を見つけることができません。
大臣にはシェエラザードとドニアザードという2人の娘がいましたが、
父上の窮地に姉のシェエラザードが自分が王の妃になりたいと申し出ました。
大臣は大反対しましたが、シェエラザードは説得し、
ある策を胸に宮殿へ向かいました。
夜の行事がつつがなく済むと計画通りに妹のドニアザードが部屋へ入ってき、
「お姉さま、何か面白いお話を聞かせてくださいな」と切り出します。
シェエラザードは「もちろん、喜んで・・・」と物語を始めたので
シャリアール王も仕方なく耳を傾けることに・・・
作戦成功。
実はシェエラザードは美しいだけではなく大変な読書家で
世界各地の話や歴史に精通した才女でもありました。
その上に素晴らしい話術を持ち合わせていたのです。
王は最初大して興味もなかったのですが、彼女の話にすっかり引き込まれてしまいました。
そして、その話の続きの聞きたさにシェエラザードの首をはねるのを
次の日にそして次の日に伸ばしていったのです。
シェエラザードの物語は尽きることがありませんでした。
こうしてシャリアール王は少しずつ女性観を変えてゆき、
ついには女性不信を克服し、シェエラザードを王妃に迎え、
以前に増しての名君になります。

・・・というお話から「アラビアン・ナイト」の千のお話が続くのです。
ご興味のある方は是非読んでみてください♪

さて、やっと本題へ〜!

この才色兼備のシェエラザードを題材に
リムスキー=コルサコフ(1844〜1908)が
1888年に交響組曲「シェエラザード」を書きました。

独奏ヴァイオリンの”シェエラザードの主題”がとっても魅惑的。
「アラビアン・ナイト」の物語はどれも
冒頭が「おお、幸多き王様、わたくしの聞き及びましたところでは・・・」で始まり、
そして物語が続き、
「・・・このとき、シェエラザードは朝の光が近づくのを見て、つつましく口を結んだ」
で終わります。
リムスキー=コルサコフはこの冒頭と結末の部分にヴァイオリン独奏の
”シェエラザードの主題”を使いました。
しびれる演出。
まるで本当に絶世の美女が物語を語っているのが見えるよう・・・
オーケストレーションは壮大で分厚くダイナミック。
海の描写においては右に出るものがいないほどでは。
リムスキー=コルサコフは海軍士官だったこともあり
その海の上での経験がこの曲で生きています。

この交響組曲「シェエラザード」は4楽章からなります。
リムスキー=コルサコフが書きあげた当初はそれぞれの楽章に
「前奏曲」、「バラード」、「アダージョ」、「フーガ」とつけられていたそうです。
しかし周囲の人からのすすめで現在は以下の通り。

@海とシンドバッドの祭り
Aカレンダー王子の物語
B若い王子と王女
Cバグダッドの祭り、海、船は青銅の岸のある岩で難破、終曲

リムスキー=コルサコフは「不思議な物語に接するような気分になってくれれば」
とこの表題について語ったそうです。

絶世の美女の語る物語の世界を聴いてみませんか?


〜オススメのCD〜

・上はシャルル・デュトワ指揮のモントリオール交響楽団による
リムスキー=コルサコフ・交響組曲「シェエラザード」。

・下はロリン・マゼール指揮によるベルリンフィルハーモニー管弦楽団による
リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」
berlin.jpg


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posted by もも at 06:50| Comment(0) | TrackBack(0) | CD集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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